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南沙織 |
南沙織さまは別格ですので、歌謡曲編から独立しました。
(南沙織さま公式ホームページ → http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/cynthia/top.html )
南沙織さまアルバム・リスト (1978年の引退前まで) 17才 (1971) |
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20才まえ (南 沙織) 1973年 全曲、作詞:有馬三恵子、作曲:筒美京平コンビ、しかも構成:有馬三恵子となっています。名盤「傷つく世代」に続く、19才から20才へのコンセプトアルバムでしょうか。 有馬三恵子さんの「19才から20才へ」の詩が見開きジャケット内に書かれていて、アイドルからの歌手への目覚めが感じられるアルバムです。
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ジャニスへの手紙 (南 沙織) 1976年 1976年12月21日発売。 手元のジャケットには「Golden
New Year'77」と書かれています。 確かに引退する前年である1977年は名作「午後のシンシア」「Hello!
Cynthia」も出た素晴らしい年だったように思います。 このアルバムもそれらと肩を並べる名作アルバムです。
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早春のハーモニー (南 沙織) 1972年 1972年12月21日発売。 ここでの早春とは年始の意味かもしれません。 まだまだアイドルぽい感じはするのですけれど、後年のしっとりとした女性になる息吹のようなものを感じさせる佳作アルバムです。
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素顔のままで (南 沙織) 1976年 このジャケット写真(もちろん篠山さん撮影)を見ると当時TVで流れていた秋吉久美子のインスタントコーヒーの宣伝を思い出してしまいます。
ちなみに裏面の写真は、りりぃに似た影のある女性に写ってますね。
そんなことはさておき、このアルバムもよく聴きました。
アイドル路線から離れ、自分の身の丈にあった女性の姿を、ちょっとウェットな声で伸びやかに唄っています。
上質なアルバムです。
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ひとかけらの純情 (南 沙織) 1974年 「ヤングのテーマ」と題された一連のアイドル路線のアルバムのなかの1枚。 このヤングという言葉が時代を感じさせますね。 そしてアイドルとして全盛時のこのアルバムはちょっとお手軽な感じで制作されているのが残念です。 ジャケット写真もまた雑誌平凡(まだあるのかな)提供となっているのもちょっと気恥ずかしい感じがします。
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人恋しくて (南 沙織) 1975年 人恋しい季節には「人恋しくて」・・・ってそのままのタイトルですが、内容も全12曲すべてが別れた人を想う歌で構成されています。
コンセプト・アルバムでしょう。
作品は、作詩/石坂まさお,作曲/五大洋光,編曲/水谷公生、作詩/落合恵子,作曲/筒美京平,編曲/林哲司、作詩/中里綴,作曲/田山雅充,水谷公生、作詞/有馬三恵子,作曲/川口真,編曲/萩田光雄の4チームが3曲づつ提供した構成で、ジャケット裏面には曲名、編曲者、演奏者の順にクレジットされたニューミュージックを意識したつくりになっています。
演奏者も当時のニューミュジック系のバックの有名どころの連中がクレジットされた落着いた雰囲気のバンド演奏です。
なおジャケット内には「20才ばなれ」という8面構成の写真集が付いているのがアイドルの残照でしょう(CD化時には復刻されていません)。
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夏の感情 (南 沙織) 1974年 今年の夏は冷夏だったけれど、今頃になって残暑というより猛暑といった感じがするこの頃。 そして南沙織さまの夏の音楽といえば、「みんな許してみたいの/過ぎた日々の出来事・・・」で始まる「夏の感情」でしょう。 この曲、アルバムには書いてないけれど、シングル盤には「演奏/キャラメル・ママ」と書かれている。 このノリの良いベースは細野晴臣さん。 凄いバックを従えることもサラリとやってのけてしまう南沙織さまですね。 さてシングルのB面になった「愛の序曲」も有馬三恵子さんの素晴らしい詞が光っています。 これも夏の曲ですね。 「夏になるはじめには/旅にでも行きたいの・・・私 人と別れた/過ぎてみればすべて同じ/堪えられない事など何もないのよ・・・」全て書けないのが残念ですが、意味の深い歌詞が魅力です。 それとインストルメンタルな編曲に耳を欹てるとチェロのソロも聞こえてきます(編曲:筒美京平)。 編曲に注目すると高田弘さんによる「この街にひとり」ではオーボエが要所をささえているのがぐっときますし、「ふたりの急行列車」では矢野誠さん(矢野顕子の前夫)によるファンキーロック調でエレキやハモンドオルガンが面白いところでしょう。 この曲、南沙織さまがじつに伸びやかに歌っているのも印象的です。 そしてA面最後は「バラのかげり」。 この曲もヒットしましたね。 大人の女性に変身するシンシアを垣間見せてくれた歌でした。
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I've been mellow/Saori (南 沙織) 1978年 尾崎亜美の「Stop Motion」から「春の予感/I've been
mellow」「もどかしい夢」をフューチャーしたニュー・ミュージック傾向を強めたアルバム。
しかし、素直で軽やか、女性っぽくちょっとウェットなシンシアの歌唱がとても魅力的な純粋歌謡曲のアルバムですね。
尾崎亜美、松本隆、松任谷由実の詩なども歌っているけれど、中里綴作詞の「最後の落とし物」が最高でしょうか。 しかしこのアルバムでは(個人的に好きな)中里綴作品4曲よりも、竜真知子作詞の作品4曲のほうが全体的な完成度が高いように思います。
「恋人達の場所」「そっと乾杯」「九月のエピソード」「アンコール」いずれも素適な歌詞ですね。 それをシンシアがそんな女性らしい心のひだをうまくすくって歌っています。
デビュー当時には問題視されていた歌唱力もデビュー7年目では光っていますね。 唯一ロック調の「ジョーのコンサート」、この歌だけはちょっと無理しているみたいな感じを受けますけれど、シンシアらしくないという点では貴重かもしれませんね。 未CD化。
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SAORI MINAMI POPS ALBUM (南 沙織) 1975年 「トップ・オブ・ザ・ワールド/やさしく歌って 南沙織ポップスを歌う」と題されているアルバム。 名作「20才」と「シンシア・ストリート」にはさまれた洋楽ヒット曲のカバー・アルバムで、全曲英語で歌っています。 デビュー時からシンシアのアルバムには洋楽ヒット曲が収録されていましたが、これはそれらの録音を集大成したオムニバス・アルバムです。 普通、このようなオムニバスは、寄せ集めで散漫な印象、といった感じになるのですけれど、このアルバムは実にセンス良く纏められています。 個人的には、隠れた名作アルバム、だと思っています。 収録曲は「トップ・オブ・ザ・ワールド」「やさしく歌って」「小さな恋のメロディ」「木枯らしの少女」「アンド・アイ・ラヴ・ユー・ソー」「ローズ・ガーデン」「カリフォルニアの青い空」「スィート・キャロライン」「君のともだち」「ビー・マイ・ベイビー」「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」「愛するハーモニー」 。 いずれも懐かしい洋楽のオン・パレードですね。 これらの原曲がヒットして時代、洋楽ファンでもあったので、オリジナルを聴いています。 でも、このアルバムで素直に(これがとても重要な点でしょう)伸び伸びと歌っているシンシアの歌も原曲の魅力を損なうことなく、シンシアらしさがよく出ていて素晴らしいと思います。 ある意味、シンシアにとっては日本語による歌謡曲よりもこれらポップスを英語で歌うことのほうが表現に自由が効くからかもしれませんね。 またいずれの編曲もオリジナルに近く、自然とこれらの曲がシンシアの歌で蘇ってくることもまた今聴き返すと惹かれる点だと思います。 そしてまた何よりシンシアの歌う英語。 英語が苦手な僕にとってもヒアリングしやすいことが大きな魅力ですね。 単なるカバーにとどまらないシンシアの魅力が放たれているアルバムです。 SBMリマスターのよるCD化済み(「南沙織/やさしく歌って」 SRCL3968)。 (2002.9.30)
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Cynthia Street (南沙織) 1975年 南沙織さまが1975年にロスアンジェルスで録音したアルバム。 今では誰もが海外録音をやっていますが、今から25年も前では画期的なことでした。 おまけに英語曲も含めた全10曲が書き下ろし、かつシングルカットされた曲もありません。 およそ歌謡曲のアイドル歌手のアルバムとしては異例中の異例なアルバムだと思います。 そして、このようなことをサラリとやってのけてしまっていたのが南沙織さまだったのですね。 さて、A面5曲は安井かずみ/作詩、筒美京平/作編曲のよる作品、B面5曲はアラン・オデイとジョージ・クリントンが作詩、ジョージ・クリントンによる作編曲作品で、両面ともにクリントン(Key)のバンドによる演奏です。 もちろんコーラス、ホーンセクション、ストリングスなどももちろんアメリカ側のメンバーでつけています。 A面に針をおろすと、冒頭の「20才の立場」からちょっとリキが入ったブラックっぽい曲が始まります。 この面はとにかく少しリキを入れた感じで少女からの決別を歌っているようです。 A面最後の「若い旅人」だけがやや歌謡曲調でしょうか。伸びやかに歌っていて日本語の語感としてはこのようなのがやはり合っているような気もしますね。 ちょっと背伸びしているかなという印象を持ちますが、しかし英語で歌っているB面、こちらは実に素晴らしい。 最近ちょっと耳にできないような良質なポップスの世界が感じられます。 しみじみと歌う「Can't Wait to Dream about You」もいいし、「Gifts」ではコールアングレも入って軽やかに歌うシンシア。 シンシアの声質とwood windsは本当によく合いますね。 そしてリズムボックスから入るブラックっぽい「Get it off - Get it on」、言葉が違うせいかノリがA面とはまるで違います。 「Spin Away」もイントロのメロトロンから歌謡曲とはまったくの別世界ですし、ラストのスローバラード「Linger」などうつむきかげんな気持ちがよく出ていて実に素晴らしいと思います。 SBMリマスターのよるCD化済み。 (2001.5.6)
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傷つく世代 (南沙織) 1973年 南沙織さま初期の傑作アルバム。 ジャケット写真では黄色の服を着せられてサイケな感じがするし、ヤングのテーマ(サウンドドラマ編)という言葉も時代を感じさせますが、内容はすこぶる極上です。 A面は全曲有馬三恵子/作詩、筒美京平/作編曲、B面は4曲を外国カバー曲で占めています。 サウンドドラマとあって、曲の前に波の音や電話の音、ジェット機の噴射音などが入りますが、アルバムトータルとしての作りよりも各歌がそれぞれにドラマ仕立てになっているようです。 デビュー当時は何かと歌唱力の無さを指摘されていましたけれど、ここではそんなことは払拭されています。 どの歌も聴き応えのある歌の力を感じさせます。 まず都会の雑踏(工事現場の音?)から始まる「傷つく世代」、バックのベースギターが少々暴れ気味でワイルドなブラスロック風です。 「忘れんぼさん」ではシンシア得意の英語による電話の会話から始まりますが、ここにオーボエの音が絡むのも見事な編曲です。 夜汽車の音が蒸気機関車だったりするのも年代を感じさせますが、そんな「昨日の街から」では伸びやかな歌とミュートを効かせたトランペットとの絡みが絶妙です。「純情」は「傷つく世代」と同じ演奏でしょうか、ワイルドさがほどよく出ていていい感じです。 波の音から始まるのが「遠い海」で、どこか「17才」風の歌なんですが「あのころの僕、恋さえ知らなかったのに」と珍しく男言葉で歌うシンシアがとても魅力的です。 ドキっとしてしまいます。 そして同じ海の歌「ふるさと持たないあの人に... 」のヒット曲「早春の港」までA面6曲を一気に聴かせてくれます。 B面の外国カバー曲も巧いのですが、これはまた別に書くとしてジェット機の音が前後に入る「愛の花咲く頃」は橋本淳/作編曲。 ホルンの響きが効果的に入って伸びのあるシンシアの歌が素晴らしい作品。 ラストの「あこがれの旅」では曲中にサーキットのエンジン音が入り、コーラスのリバティベルスもシンシアのアルバムではお馴染みですね。 このアルバム、見かけで騙されてはいけない、じつにしっかりした傑作です。 CD化済み。 (2001.5.6)
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SIMPLICITY (南沙織) 1978年 南沙織さま24才にして引退したときのオリジナル・ラスト・アルバム。
A面を有馬三恵子/作詩、筒美京平/作曲のオリジナル、B面を外国カバー曲としたデビュー当時のアルバム形態がなんとなく懐かしくもありますが、どこか手軽に制作された感じも残っているように思うのは僕だけかな。
しかしいずれの歌も、デビュー当時とは比較にならないほど向上したシンシアにかかっては、いずれの歌もとても聴き応えがあります。
はやり得意な英語で歌う「Good-bye Girl」、情感があふれて秀逸ですね。
自分の心情もこもっているのでしょうか。 そしてこのアルバム全体を通して聴くならば、冒頭(A面1曲目)の「Ms.(ミズ)」では明るくさっそうと自立を歌い、つづく「シンプル・シティー」で、「うぶ声と誰かを弔う鐘の音どこかで今日も響いてとけて...
」と生と死にもさりげなく触れながら、爽やかな一陣の風のようにふっと私たちの前から消えてしまったことを象徴しているのでしょうか。
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20才 (南 沙織) 1974年 デビュー3年目。 南沙織さまが20才となってアイドルから脱皮する(個人的に呼んでる)中期の幕開けにもなった記念すべき傑作コンセプト・アルバムです。 冒頭(A面1曲目)「田園交響楽」(作詩:松本隆)のイントロでのモノローグ「二十歳になったと人は言うけど、私は私、今まで生きてきたよう、生きていくしかないし... でもちょっぴり変わったとしたら、ひとりぼっちが辛いことね」からシンシアの世界に惹き込まれます。そしてA面最後の「夜霧の街」(作詩:有馬三恵子)ではシングル盤にはないモノローグ「二十歳という名の駅に立ち、果てしない線路を見ています。 どんな旅が始まるでしょう。 もうここからはぬきさしならない本当の人生という感じです」という決意が語られ、彼女の20才の自立への決意が物語られています。 このアルバムに収録されている「卒業」「青春が終る日」「フラワー・ショップ」など、いずれも失恋の歌は秀逸です。 そしてまたB面では他の歌手のカヴァー曲を歌っていますが、なかでもいしだあゆみの「あなたならどうする」が実に素敵です。 SBMリマスターのよるCD化済み。 (2001.4.14)
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HELLO! CYNTHIA (南 沙織) 1977年 まずは南沙織さまの隠れた傑作アルバムから紹介します。 シングルで発売された「街角のラブソング」を始め、軽快でさわやかなポップ・ミュージックがこのアルバムに満載されています。 デビュー当時、歌唱力の無さを指摘されていましたけれど、さすがにデビュー6年、このアルバムで聴かれるように、決してきばるようなことなく、軽々と唄いこなす歌の巧さが魅力的です。 「街角のラブソング」のほか、冒頭(A面1曲目)の「黄昏ドライブイン」「青春(はる)の電車」「はじめまして」など、つのだひろの作品が爽やかな魅力に包まれています。 これに対して、「シングル・ルーム」「秋がくるから淋しいのです」「愛ほのぼの」の岡田富美子(作詩),梅垣達志(作曲)の作品はこの年代の若い女性の揺れる心をしっとりと歌っていて素晴らしい作品です。 そして中里綴(作詩),梅垣達志(作曲)による作品「プロフィール」は、壊れてゆく愛の姿をその詩にある「笑いもせず・泣きもせず・ぼんやりと見つめている 」そんなさまを見事に唄いつづっているのがとても印象的です。 アイドルから完全に脱皮し、自分の身の丈で心の微妙な動きを唄える南沙織さまの傑作のひとつです。 未CD化。 (2001.4.14) |