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プレヴィンのRVW/南極交響曲 |
新しい発見(戻る)
プレヴィンがロンドン交響楽団の首席指揮者だったころに録音したRVWの交響曲全集。 その第1弾がこの南極交響曲でした。 ここでは既に取り上げているとおり、サー・ジョンのロンドン交響曲、交響曲第8番でヴォーン・ウィリアムズ(RVW)の洗礼を受けていたこともあって、この第7番の交響曲にあたる南極交響曲のレコードも欲しかったんです。
ジャケットに漢字で「南極」の文字、見覚えある方も多いのではないでしょうか。 でも当時はレギュラー盤などそうそう買えませんでしたから、大学生になってからかな、中古レコード店で見つけ、喜んで持ち帰ったのがこのレコードです。
でも、期待して買ったのですけど、針を降ろしたあとですごく失望。 期待しすぎた反動もあったと思いますが、情景をなぞっただけの薄っぺらい音楽じゃないか。 そんな風に思え、2〜3度聴いただけ、長くお蔵入りすることになってしまってました。
しかし先日、手持ちのCDをパソコンに録音する作業で、ボールト指揮によるRVWの交響曲全集の録音を進めていたのですけど、ちょうどその時、某サイトの掲示板においてRVWの話題が出ていました。 それがきっかけで、このプレヴィン盤も気になってまた引っ張り出してきたというわけですね。
で、改めて聴きなおしてみると、確かに分かりやすい音楽には違いないと思いますけど、血気盛んな若者(馬鹿者?)のときには感じられなかった、演奏の魅力を再発見しました。
当時聴いていたステレオがボロだったこともあったのですけど、こうやって聴きかえしてみると、オケの響きがじつに多彩な表情を持って表現されているんですね。 オケの響き自体に厚みや深みも感じられ、堂々とした曲の運びです。 立派な演奏と言ってもいいかもしれません。 録音もまた素晴らしく、第3楽章のパイプ・オルガンなど、底から響いてくるような感じもよく捕えられています。またこの録音には、サー・ラルフ・リチャードソンによるナレーションが各楽章の最初に入っています。 当時は全くもって映画の解説みたい、そんな風に思って安っぽく感じていたのですけど、じっくり聴き進めてゆくと、このナレーションもまたいいものです(楽章の切れ目が分かりますしね)。
年齢を経て感じられる大人の魅力があるのかもしれません。 これまでの嗜好をチャラにして聴くことで、また新しい発見があると感じた1枚です。