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「恋人たち」〜スクリーン・ロマンティック・テーマ

名画を彩った音楽の数々(戻る

この暑い夏で集中力が欠如していることもあるでしょう。 大曲にはまったく触手が伸びなくなってしまいました。 そのかわり、このアルバムを重宝しています。 映画音楽として採り上げられたクラシック音楽の名曲を、1楽章まるごと聴かせてくれているからですね。 昔はオムニバス形式のアルバムなんて大嫌いだったけれど、歳なんでしょうかねぇ。 こだわりがなくなりました。 しかしそんなオムニバスでも、無造作に寄せ集められたものとそうでないものがありますよね。 このアルバムは、選曲・曲順・演奏内容といい、なかなかいい線いっていると思います。 解説はポピュラー音楽にも明るい出谷啓さん(通称デーヤン)。 さすがの出来栄えです。

日本フォノグラムのグロリア・シリーズから出ていたパイロット1000。 1977年の1,000円盤です。 販売促進用みたいな存在として、限定盤として出ていたシリーズの1枚で、ちょうど1年前の7月にお茶の水ディスクユニオンで100円で捕獲したものです。

第1曲目の演奏者を見て驚きました。 「みじかくも美しく燃え」よりモーツァルトのピアノ協奏曲第21番第2楽章が収録されていますけど、このピアニストがアンネローゼ・シュミット。 シュミットさまのモーツァルトは、オイロディスク原盤でマズア指揮ドレスデンフィルのが日本コロムビアから出ているのを持っていますけど、こちらはスィトナー指揮ドレスデン国立管弦楽団。 こんな録音があるとは不覚にも知りませんでした。 これが購入理由です。 ただし持ち帰って聴いてみたのですけど、正直なところ、僕の耳では違いはよくわからないのですけどね。 でもこれ以外、なかなかいい演奏が入ってて、小難しいことを考えずに聴くのにはもってこいのアルバムになりました。

A面はこれに続いてベルリン・フィルハーモニー八重奏団によるブラームスの弦楽六重奏曲第1番の第2楽章、続いて同じくブラームスの交響曲第3番の第3楽章をサヴァリッシュ指揮のウィーン交響楽団の演奏などいずれも滋味深い演奏です。 このあとにハラシェヴィッチによる清楚でしっとりしたショパンのノクターンが続くのも見事な展開だと思います。 最後は「禁じられた遊び」のロマンスで中締めです。

B面は、マルチェッロのオーボエ協奏曲ニ短調の第2楽章、モーツァルトのクラリネット五重奏曲第1楽章と管楽器を続けたあと、アルビノーニの弦楽とオルガンのためのアダージョで雰囲気を変えたあと、オオトリとしてマーラーの交響曲第5番の第4楽章。 アダージョ・カラヤンが出る遥か以前ですけど、この曲で締めるなんて見識ありますよね。 また演奏もノイマン指揮ゲヴァントハウス管弦楽団で、情に流されない渋さが見事です。 ノイマンはゲヴァントハウス時代にいい録音を沢山残していますけど、この第5番などもそのうちの一つでしょう(ベルリン・クラシックスでCD化されてます)。 とても満足感の高いアルバムです。

A面
みじかくも美しく燃え(1967年、スウェーデン)
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467 第2楽章 アンネローゼ・シュミット(p)
オトマール・スィトナー指揮ドレスデン国立管弦楽団
恋人たち(1958年、フランス)
ブラームス/弦楽六重奏曲第1番変ロ長調 第2楽章 ベルリン・フィルハーモニー八重奏団
さよならをもう一度(1961年、フランス)
ブラームス/交響曲第3番ヘ長調 第3楽章 ヴォルフガンク・サヴァリッシュ指揮ウィーン交響楽団
愛情物語(1955年、アメリカ)
ショパン/ノクターン変ホ長調op9-2 アダム・ハラシェヴィッチ(p)
禁じられた遊び(1952年、フランス)
ロマンス レナータ・タラゴ(g)
B面
ベニスの愛(1970年、イタリア)
マルチェッロ/オーボエ協奏曲ニ短調 第2楽章 ベルナルト・シェンケル(ob)
イタリアン・バロック・アンサンブル
幸福(1964年、フランス)
モーツァルト/クラリネット五重奏曲イ長調K.581 第1楽章 ジャック・ブライマー(cl)
アレグリ弦楽四重奏団
審判(1962年、フランス)
アルビノーニ/弦楽とオルガンのためのアダージョ マリア・テレサ・ガラッティ(org)
イ・ムジチ合奏団
ベニスに死す(1971年、イタリア)
マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調 第4楽章 ヴァツラフ・ノイマン指揮ライプティヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団