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カラヤンの魅力(戻る)
実家に置き去りにしていたレコードを持ち帰ってきました。 ドイツ・グラモフォンによるカラヤンの名演奏を集めたサンプル盤といっていいのでしょうか、1971年頃に購入したものです。 当時、1,000円盤のレコードが盛んに出始めたころです。 僕も少ない小遣いを捻出し、ちょっとづつ1,000円盤レコードを買ってクラシック音楽の名曲の数々を知り始めていました。 2,000円のレギュラー盤を1枚買うよりも1,000円盤を2枚買えば曲を多く知ることができる・・・なんて考えていたころです。 もっとも貧乏だったので、そんな1,000円盤も一月に1枚買うことは不可能でしたけどね。
その当時、ドイツ・グラモフォンはまだ1,000円盤には参入してませんでした。 ドイツ・グラモフォンというと、当時はクラシック音楽レコードの最高峰、みたいな雰囲気がありましたよね。 黄色い枠で囲まれた「Deutsue Grammophon」のマーク、そしてレコードの黄色いレーベル面。 レコード店や、友人の家で見たグラモフォンのレコードの数々・・・グラモフォンのレコードを持つことが高嶺の花と感じられていた頃でした。
そんなわけで、とうてい手が出せないと思っていたグラモフォンのレコードが1,000円もしないで手に入る・・・ そんな夢のようなことを知ったのは、雑誌「週刊FM」の記事だったか、そこに掲載された広告だったように記憶しています。 飛びつきました。 いま手元にあるこのレコードには750円と書いていますが、600円で購入した記憶も残っています。 とにかく、僕と同年代にはそんな気持ちで飛びついた人っていっぱいいるんじゃないかな。
しかしながら困ったことがありました。 それはこのレコードがカラヤンの演奏だったことです。 なんせ当時はバリバリのアンチ・カラヤンでしたから・・・。 翌年出された同シリーズのカール・リヒターやラファエル・クーベリックのレコードは純粋に楽しめたのですけどね、このレコードは、かなり複雑な気持ちで聴いていたものです。 旋律が甘過ぎるとか、グロテスクやな、な〜んて言いながら、正直うがった気持ちを持って聴いていたものです。 ま、確かに今聴いても若気の至りとはいえなくない部分もありますけど、今こうして聴いてみるととても楽しめる内容のレコードです。 特にA面の小品の数々なんて、ほんとうに聴かせ上手ですよね。
あと、生意気盛りだった中学生のころから気に入っていたのが、B面ラストのフィンランディア。 これは当時の言い草では「歌謡曲みたいな演奏だけど・・・」という否定的な文句を付けてましたけど(もっと素直になれよ)、とてもカッコ良くて好きな演奏でした。 冒頭の重心の低いサウンド、さすがベルリンフィルといった巧さが全開。 民俗色を超越し、インターナショナルに曲そのもの魅力が押し寄せてくるようですね。 今聴いても惚れ惚れとしてしまいます。
ハイファイ・カラヤン
(日本グラモフォン:MG 9901)A面 J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068からアリア モーツァルト ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334から第3楽章メヌエット ベートーヴェン 交響曲第8番ヘ長調作品93から第2楽章 ブラームス ハンガリー舞曲第5番ト短調 J.シュトラウス トリッチ・トラッチ・ポルカ作品214 チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り人形」から「花のワルツ」 B面 ワーグナー 楽劇「神々の黄昏」第3幕から「ジークフリートの葬送行進曲」 マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲 シベリウス 交響詩「フィンランディア」作品26 演奏者 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団