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ジョーン・フィールドによるメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 |
魅力的な中庸(戻る)
1972年頃に購入したキング・レコードの世界名曲1000シリーズ(GT1064)の1枚。 クラシック音楽に興味を持ち始めた中学生のころ、学校の音楽鑑賞の時間に聴いたメンコンを気に入ってレコードが欲しくなった。 さっそく小遣いをはたいて近所の商店街にあったレコード屋に行って購入した思い出深いレコードである。
ヴァイオリン奏者ジョーン・フィールド(Joan Field)については全く知らないけれど、オケがベルリン交響楽団(指揮はルドルフ・アルベルト)だったからいい演奏なのかなぁ... というドイツ音楽至上主義による判断だった(いまもこれに毒されているかも)。 そして長くジョーン・フィールドについて探していたが今でも詳細不明。 ようやくアメリカ女性らしいということだけ分かったが、ドイツ至上主義者がアメリカ人の演奏を聴いて感動していたのだから、しょせんぼくの耳はそんなものである。
さてその演奏だが、素晴らしい演奏であると思っているが、どこがどう良いかというのが一口では言い現せないのが口惜しい。 簡単に言うと、とても誠実な演奏だと思う。 実に中庸なのである。 中庸というと退屈するような感じにもとられてしまうが、魅力満載の演奏ではないだろうか。 テクニックはあるし、音にも艶はある、そして演奏態度も情熱的であるのだが、これらのどれをとっても突出することなく、それぞれに抑制をよく効かせ、とてもよく調和している。 初心者向けにはとても良い演奏だと思う。 そしていつまで経っても初心者から抜け出せないぼくは、もうこの演奏を抜きにしてはメンコンは語れない。 そんなふうにまでなってしまっている。
なおこの演奏については、テルデックからCD化されており(TELDEC CLASSICAL Experience シリーズ、0630 12089-2 )、同じアルベルト指揮ベルリン響のコンビでブルッフのヴァイオリン協奏曲も聞くことができるが、ジョーン・フィールドについての情報は書かれていない。 どなたか御存知ないだろうか。