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オルベルツ、ズスケのシューベルト「ます」 |
堅実さと爽やかさ(戻る)
ポップ・ミュージックからクラシックに流れてきたため、大規模で派手なシンフォニーや管弦楽は得意でも室内楽はどうも苦手。 まぁ血気盛んな若者時代には、シンフォニーでも第2楽章は飛ばして聞くということも平気でやっていたので、個々のプレイヤーの響きを楽しむ室内楽なんて眠い音楽以外の何物でもなかった。 そんな時代に買った数少ないお気に入りの室内楽のレコードがこれ。 ジャケットの品の無さがいかにも廉価盤といったものだけど(グロリア200シリーズ)、演奏はいたって堅実で質実とした演奏を聴かせてくれる。 何よりピアノと四重奏団の響きに一体感があって素晴らしい。 なかでも堅くしまったオルベルツのピアノの響きに、控えめで清楚なズスケのヴァイオリンの響きとが絶妙のコンビネーションでリードしてゆくけれど、必要以上に突出することなく(通常はピアノ主体になりがちな曲だけれど)緊密なアンサンブルを聴かせれくれる。 なかでもこの曲名のもとになった歌曲「ます」からとられた第4楽章がお気に入り。 基本的に変奏曲が好きだということもあるけれど、「ます」の主題と5つの変奏を各メンバーがそれぞれメインをとりながら進めていくのはジャズのインター・プレイにも似てわくわくしてくる。
なおこの演奏はLP盤が刷りきれるほど聴いたのでCDも買った(紙ジャケットのグロリア・シリーズ:17CD34)。 こちらはイタリア弦楽四重奏団の「死と乙女」もカプリングされていてお徳なのだけど、室内楽はくるくる廻る黒い円盤が演奏しているのを見ながら聴くのが似合ってるみたい。